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【映画レビュー】この世に私の居場所なんてない【Netflix】

I Don't Feel at Home in This World Anymore

I Don't Feel at Home in This World Anymore

 

 Netflixオリジナル作品、この世に私の居場所なんてない(原題:I Don't Feel at Home in This World Anymore)を鑑賞しました。

 

 

 以下ネタバレ有りの感想。

概要

『この世に私の居場所なんてない』(I Don't Feel at Home in This World Anymore)は、メイコン・ブレア英語版監督・脚本による2017年のコメディクライムスリラー映画である。出演はメラニー・リンスキーイライジャ・ウッドデヴィッド・ヨウ英語版ジェーン・レヴィデヴォン・グレイである。

ワールド・プレミアは2017年1月19日にサンダンス映画祭で行われ、米国劇作品コンペティション部門で審査員大賞を獲得した[2]。2017年2月24日にネットフリックスで配信された。

引用元:Wikipedia

 あらすじ

  看護助手のルースは運の悪い日々を過ごしていた。目の前で担当している患者が亡くなったり、並んでいたスーパーのレジで割り込みされたり、本を読んでいるとネタバレされたり、庭に犬のフンを放置されたり。挙句の果てには空き巣にまで入られてしまう。ルースはパソコンと祖母の形見の銀食器と常用している薬を盗まれてしまった。

 

 警察を呼んでみるものの担当する刑事は鍵をかけていないのが悪いと言って、まともな捜査をしてくれない。警察は頼りにならないと悟ったルースは庭で見つけた足跡の型を石膏で取り、近所で聞き込みを開始する。近所の住人たちにも冷たくあしらわれるルースだったが、犬のフンをルース宅の庭に放置する変人トニーだけは同情的に彼女の話を聞くのだった。

 

 その夜、今まで反応の無かったパソコンの位置情報を把握するアプリが反応する。警察に連絡をしてみるものの警官は派遣できないと断られる。

 自らアプリの示す住所に乗り込もうと決めたルースはトニーに同行を頼んだ。

 ルースとトニーはアプリの示す場所へと向かいパソコンを取り返すが、そこの住人はパソコンを盗んだのではなく、中古品を扱うマーケットで買ったのだと言う。

 

 ルースはマーケットで銀食器を発見する。と同時に庭の足跡と同じ靴を履いた青年を発見する。ルースは彼を追いかけるが店主と一悶着あり見失ってしまう。

 帰宅後、トニーが覚えていた車のナンバーをネットで検索し、犯人の名前はクリスチャンであることがわかる。また彼の住所も手に入れる。

 

 クリスチャンは空き巣で得た金で銃を買い、仲間のマーシャル、デズと共に勘当された金持ちの実家に強盗に入る計画を立てていた。

 

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 ルースは集めた証拠を警察に提出し、捜査するように求めるが取り合ってもらえないばかりか、勝手に警察の真似事をしないように警告されてしまう。

 

 ルースとトニーはクリスチャンの家に向かう。そこで出迎えたのはクリスチャンの継母メレディスだった。メレディスは2人にコーヒーを出し、夫は何の仕事をしているかわからないが金持ちであること、息子とソリがあわないこと、勘当されてどこにいるのか見当がつかないということなどを語る。

 

 ルースが帰宅すると、クリスチャンが彼女の家に侵入する。ルースは咄嗟に石膏でクリスチャンを殴る。するとクリスチャンはよろめきながら逃げ出し、バスに撥ねられ死んでしまう。

 電話で救急車を呼ぼうとするルースにデズが襲い掛かり彼女を連れ去る。

 マーシャルはクリスチャンがいなくなったので強盗を手伝えと言う。

 

 嫌々ながらも強盗を手伝うルース。邸内は乱闘になり、ルースを助けに来たトニーが負傷。マーシャルに追われて2人は森の中へと逃げ込むが、トニーは重症を負い動けなくなってしまった。

 

 なんとか難を逃れたルース。警察での処理も終え、また憂鬱な日常へと戻るがそこにはトニーも一緒にいた。

 

 感想

 トニー役の怪演

 メタル好き、ヌンチャク、手裏剣を扱うイライジャ・ウッド演じる変人トニー。彼の存在のおかげで憂鬱な雰囲気が少しだけ解消されてちょうどいいバランスになっています。

 

 それにしてもものすごい変人だ、このトニーという人は。そりゃ友達も少ないはずだ。

 

 爆音でメタル聞きながら筋トレしてるのにヌンチャクとか手裏剣とか特殊すぎる武器が好きだったり、かっこつけてパソコンの前に座ってやることはただのグーグル検索だったり。それでいて盗みは良くないというしっかりした倫理感を持っているなんて。いいキャラすぎる!

 

小説っぽい話

 なんとなく映画っていうよりは、小説っぽい話だなぁと思いました。展開としてもそうですし、セリフが小説っぽいんですよね。死んだらただの煙になるだけ、とか私もいつかただの炭素になってしまう、とか。

 

 序盤に主人公が怠い怠い言ってるのなんて日本の純文学っぽいし、後半の突然はじまる殺し合いも村上龍の小説にありそうな展開です。

 

突然の乱闘、グロ、ゲロ

 そしてこの映画の最大の魅力は何と言っても後半の銃撃戦(?)ではないでしょうか。突然始まるグロ描写とゲロを大量噴出するルースに驚きです。そんなにゲロ出るのか。

 

 銃撃戦と言ってもほぼ全員が素人なので撃っても致命傷を与えられずどんどんグロくなっていくだけという。どうしてこんなショッキング映像を作ったのかよくわかりません。

 手裏剣、銃の暴発、ナイフめった刺し、跳弾と乱戦すぎます。これはひょっとしてギャグでやってるのか。

 

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コメディとして

 コメディの要素もなかなか面白いと思いました。冒頭のおばあちゃんの死に際の言葉とか良いセンスしてるなぁと思います。自己中心的な人が多いと嘆く主人公に降りかかる様々な不運も、あるあるネタっぽくて笑えます。

 

 変人トミーの存在感もバッチリでした。でも彼は笑いを取りにいくというよりは、雰囲気を重くしすぎないためにいるって感じがします。

 

あなたよりも大変な人がいる

 空き巣に入られて落ち込むルースに周りの人は、「もっと不幸な人がいるんだから落ち込むな」と言います。これはものすごくもどかしいセリフです。

 

 僕もそういうことを言われたことがあって、なんだか「わかるよルース。そういうことじゃないんだよな」と共感してしまいました。"僕自身"が今、辛くて苦しくて痛くて大変なときに、もっと大変な人がいるなんて言われたって知らんのです。人と比べてどうとかじゃなくて、僕が苦しいと言ったら苦しいのです。

 

 この考え方もある意味では自分勝手と言えば自分勝手で、「世の中には自分勝手な人が多すぎる」と嘆くルースはそうじゃないのかと考えるとそうでもないんですよね。現に物語後半ではスーパーで列に割り込んだりしたりして。

 

 ともかく僕はこういう部分を映画のテーマにしてくれたことが少し嬉しかったです。もっと不幸な人がいるからなんやねん、と僕は常々思っていたりして。世界で一番不幸じゃなきゃ落ち込んじゃいけないのかよ、って思いませんか?

 

まとめ

 ウィキペディアではジャンルがコメディ・クライム・スリラー映画となっていますが、もっさりした純文学系ヒューマンドラマなのではないかと思いました。

 空き巣の犯人捜しも重要ですが、どっちかというと主人公の心情にフォーカスした映画なのではないでしょうか。

 

 あんまり出番がなかったけど犬が利口そうでかわいかったです。

 

 ではまた。