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【映画レビュー】砂の城 / Sand Castle ネタバレ・感想【Netflix】

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 Netflixオリジナルコンテンツ、砂の城(原題:Sand Castle)を鑑賞しました。

 

 

 以下ネタバレ有りの感想。

 あらすじ

2003年イラク

 2003年。学費を稼ぐために入隊したマット・オークルは戦地であるイラクへと派遣されていた。

 ハーパー軍曹をリーダーとするオークルの所属する隊はバグダッドを制圧し、モスクを拠点として抑える。

 

 一通り任務をこなし、帰国したいムードが漂うハーパー隊。そんなハーパー隊に新たな任務が与えられる。

 

新しい任務

 バクーバ北の小さな町へ向かい、ヘリで爆撃して破壊してしまったポンプ場を住民たちと協力して直し、町に水を引けというのである。僻地は軍にコントロールされておらず、爆撃により反米感情が高まっていて非常に危険な任務である。

 申し出があれば配置転換を行うと言われるもののハーパー隊は任務に取り組むことに決めた。

 

 町の米軍拠点に到着すると、空のボトルを手に水を要求する住民が拠点入口に押し寄せていた。

 拠点で現地を統括するサイバーソン大尉のもと任務を開始する。しかし反米感情は高く、住民の協力は得られていないようだった。

 

進まない作業

 ポンプ場へ向かい、給水車で町まで水を運び住民に分けつつ、ポンプ場の修理をする。1週間で終わると言われていた任務だったが、状況は酷く、実際には6週間以上かかる見込みだった。更には水の輸送中に武装組織に襲われ給水車を破壊されるなど、なかなか一筋縄ではいかない。

 住民の協力があれば工期を半分にできるというので、ハーパーやオークルは住民の協力を得るために奔走する。

 

 ハーパーとサイバーソンは部族長のもとに協力の要請に向かうがあっさり断られる。部族長は米軍に協力すると武装組織に狙われるので協力できないと言う。

 

 ある日、ハーパー隊は町中で水を分けている最中に武装組織からの襲撃を受け、味方に死者を1名出してしまう。

 そんな中、学校の校長だと名乗る人物から協力の申し出がある。隊はこれを受け入れ、ポンプ場の修繕作業を住民とともに行うが、翌日、学校の校庭で処刑された校長を発見する。

 

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突撃 

 校長の弟からの情報を受け、全隊で武装組織への攻撃を行うこととなった。敵拠点への突撃はうまくいったものの、通路の封鎖にあたっていたハーパー隊は敵の襲撃を受けてしまう。なんとか切り抜け退避しようとしたところにロケットの攻撃を受け、重傷者を2名出してしまう。

 

爆発&その後

 ハーパーとオークル2人だけになってしまったが、住民とともにポンプ場での作業を続ける。

 昼食時、1人の住人が大荷物でポンプ場の建物に入っていく。ある兵士がどこにいくのか尋ねた瞬間、ポンプ場は爆発。

 

 任務続行が不可能になったため、ハーパーとオークルはバグダッドの拠点へと戻される。

 プールで泳ぐ兵士や、蛇口をひねると水が出てくるシャワーに戸惑うオークル。

 

 上官に呼ばれ、オークルは帰国を命じられる。

 

感想

 戦闘シーン

  戦闘シーンが好きでした。

 なんだか殺伐としていて、誰が敵なのか、どこから攻撃してくるのかわからずに戸惑っているところにリアリティがありました。ゲリラ戦って感じで。

 敵の拠点を攻めるところも良かったです。主人公なのに突撃部隊ではなくて敵の退路の封鎖をしていたり、敵も敢えて人の少ない主人公のチームを狙ったりとか。

 

死亡フラグが少ない

 それにしても主人公チームをほぼ全滅させるなんてすごい脚本だなぁ。

 

 まぁ戦争映画では主人公以外味方が全員死ぬっていうのはお決まりなんですけど、死亡フラグを立てずに味方が死ぬのでちょっと驚きました。

「帰ったらうまい酒をたらふく飲む」とか「最初に会ったときからお前(主人公)はできるやつだと思ってたぜ」みたいなのが全然出てこない。

 

 「今夜撃たれて死ぬか、50年後ガンで死ぬか俺たちに選ぶことは出来ない」っていうのが唯一の死亡フラグか?(死んでないけどノックアウトはされた) 

 

 この死亡フラグの少なさが逆にリアルとも言えます。

 

中盤のだるさ

  中盤はなんとなく先の展開が読めて、更に主人公たちは同じ作業を繰り返しているのでちょっと退屈でした。

 ある意味ではポンプ場修理の途方もない感じが伝わってはくるんですが、もうちょっとコンパクトにしてもいいんじゃないかなぁ。

 

 身体検査とかバッグの中身を調べるところとか、実際そういう感じのやり取りがあるんだろうな、というのはわかるんですが飽きます。

  それから、給水車に人が押し寄せるシーンとかポンプ場での作業シーンとか。長い&面白くない。

 

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 帰りたくないというオークル

  オークルたちの作業は住民たちとの間に信頼関係がないために、まったくうまく進みません。イラク人のために水を運んでいるはずが、イラク人に給水車を襲われたり。やっと協力関係を結べたと思った矢先に校長が殺されたり。挙句の果てにはポンプ場を爆破されてしまうという結果に。

 住人の信頼を得ようと頑張れば頑張るほど、関係は悪化しているように見えます。そして後味の悪いというか、なんともいえないエンディング。

 

 おそらく米軍が撤退することが一番平和的に解決できる方法のように見えます。ですが最初は帰りたいと言っていたオークルが最後には帰りたくないと言い出します。

 

 なぜ帰りたくないのか。解釈が難しいなぁと思いました。作業を中途半端にしたくないから?(でも爆破されて実質不可能) 信頼を勝ち取れると思った? それとも仲間の死を無駄にしたくないとか?

 どれをとってもなんだかしっくりきません。

 なんとなく始まってなんとなく終わってしまうことに、翻弄される感じを表現しているとか?

 

 全然わかりません…… これだけひどい目にあって仲間も死んで、なぜ残りたいと言うのか…… 

 

 この主人公の帰りたくない発言によってこの映画のモヤモヤ感が増大している気がします。

 

 蛇口をひねると水が出るということ

 印象的だったのが、主人公がバグダッドに帰ってきたときに他の兵士たちがプールで遊んでいるシーンでした。これは勿論、水の供給に苦しんでいた今までの任務との対比なわけなんですが、世の中の不平等さを端的にあらわしているような気がします。

 

 水に限らずな話ですが、常に当たり前にあると思っているもの、蛇口をひねれば水がでてくること。これがいかに偉大なことであるか考える機会となりました。

 

まとめ

  戦争映画では珍しい裏方といえる作業をする兵士たちの映画ですが、やっぱり戦争というのはどこにいても厳しいんだなぁと思いました。

 米軍が水を運ぶだけで人がたくさん死ぬと考えるとかなりショッキングです。

 

 モヤモヤする話ですが、それもまた映画の楽しいところ。面白い映画でした。

 

 ではまた。