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【映画レビュー】心のカルテ ネタバレ・感想・あらすじ【Netflix】

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 Netflixオリジナル作品、心のカルテ(原題:TO THE BONE)を鑑賞しました。

 

 

 以下ネタバレ有りの感想。

あらすじ

 エレンは拒食症である。彼女の継母は病院での改善プログラムを幾度か受けさせるが効果はなく、エレンはガリガリに痩せ細っている。エレンは自分は自己管理が出来ていると主張するが、腕の太さを気にし、痩せるための腹筋運動をやめられないでいる。
 またエレンはアーティストであり、かつてはSNSのタンブラーに作品を投稿し、多くのファンを得ていた。しかし、ファンの1人がエレンの影響で自殺してしまったために現在は投稿するのをやめている。

  継母、家にほとんど帰ってこない父親、母親の違う妹、別居しているレズビアンの実母とそのパートナー。エレンは複雑な家庭環境で育った。

 

 継母のスーザンは最後の望みとして、ベッカム医師に相談する。ベッカム医師はエレンに、食べ物の話をしないこと、最低6週間入院することを条件に治療を開始する。

 エレンはベッカム医師の運営するグループホーム「門出の家」に入居する。そこでは摂食障害に苦しむ若者たちが共同生活を送っていた。

 エレンはそこでロンドン出身の風変わりな青年ルークに出会う。ルークは膝を壊した元バレエダンサーで、摂食障害を克服しつつあった。

 門出の家にはルールがある。朝晩にミーティングを開きそれぞれの悩みを共有する。毎回の食事は食べなくてもいいが全員参加。食後30分はトイレに行ってはいけない。きちんと食事をしたり、家事をこなすとポイントが与えられ、外出権を得ることができる。

 夜、ベッカム医師はエレンを訪れ、翌日実母を含む家族全員でのカウンセリングを開くと告げる。

 翌朝の計量時に入居者の1人であるミーガンがが妊娠していることを知らされる。

 カウンセリングに父親は現れなかったが、継母のスーザン、妹のケリー、実母のジュディとそのパートナーのオリーブ、エレン、ベッカム医師の6人で行われる。家族の実情を知るためのカウンセリングのはずが、スーザン、ジュディ、オリーブは口論を始めてしまう。妹のケリーただ1人がエレンのために意見を述べるという結果となった。
 

 カウンセリングのあとでふさぎ込んでしまうエレンだが、ルークが力になりたいと言ってエレンに話しかける。ルークを突き放す態度をとるエレンに「家族が崩壊していてもまともな人生を送れる」とルークは助言する。
 
 エレンはルークの部屋を訪れる。ルークはアーティストであるエレンのファンだったこと、エレンの気を惹くために風変りな態度をとっていたことを打ち明ける。

 エレンはベッカム医師のカウンセリングを受ける。そこでベッカム医師はエレンに改名するように提案し、エレンはイーライと名乗るようになる。

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 門出の家に戻るとエレンはルークに翌日のディナーに誘われる。
 翌晩、2人は外出し、アジア料理の店で食事をする。IDを忘れたルークは、ガン患者の最後のデートだと偽りビールを注文する。

 ベッカム医師は遠足を計画し、門出の家の一同は雨を模したアートを見に行く。ベッカム医師はエレンに「心の中で『無理だ』という声が聞こえたら『声よ黙れ』と叫べ」と助言する。

 

 門出の家でミーガンの12週目突入を祝うパーティーが開かれる。
 パーティーのあと、ルークは愛してると言ってエレンを押し倒すがエレンはこれを拒否して怒り出す。

 その夜エレンが無理な腹筋運動をしていると、トイレからミーガンの叫び声が聞こえる。エレンやルークがトイレに駆け付けると、ミーガンは流産し血を大量に流していた。

 翌朝、ミーガンは家に帰ったと聞かされる。ショックを受けたエレンは体重が限界ギリギリまで減ってしまう。
 精神的に弱ってしまったエレンにベッカム医師は人に助けをあてにするな、現実に立ち向かって大人になれと言って突き放す。

 失望したエレンは門出の家から出て、長距離バスに乗って実母の住むフェニックスの田舎町へと向かう。母親のもとについたエレンは、母親から赤ん坊のようにライスミルク授乳する治療法を提案される。少し悩んだもののエレンはこれを受け入れる。

 その夜、エレンはベッドを抜け出し、岡の上で満月を見上げながら眠る。
 そこでエレンは夢を見る。痩せていないエレンとルークが登場し木の上でキスをする。その場所から、痩せ細って死んで野に晒される自分の体を見下ろす。その後、勇気の象徴である石炭のかけらを飲み込んで咳込む。

 エレンは咳込みながら日の光を浴びて目覚め、自分が生きていることを喜ぶ。岡の上からフェニックスの町を見渡したあと、エレンは継母と妹の待つ家に帰る。

 継母と妹に見送られ、エレンは門出の家に戻っていく。

 

感想

 拒食症に苦しむ女性を描いた素晴らしい映画でした。

エレン役の人がガリガリ

 エレン役を演じたリリー・コリンズがめちゃくちゃ痩せてて驚きました。サイズの大きい服を着て痩せてみせたり、特殊メイクもあるとは思いますが、それでもかなりかなり細い。でも眉毛は太い。(流行りなのか?)

 同じ2017年公開のオクジャにも出演していましたがそのときはこんなに痩せていなかったような……

 明らかに限界を超えて痩せている(ように見える)彼女に女優魂を感じます。


 エレン役以外でも出演者がほぼ全員痩せているものすごい映画です。なんだか見ていて痛々しいです。あんまり無理しないでくれ…… と思ってしまいます。

 

ベッカム何もしてなくね?

 キアヌ・リーブス演じる医師、ベッカム。劇中で役に立っているのか立っていないのかよくわからない役です。なんとなくそれっぽいことを言っていますが実際はなんにもしていないような気が…… むしろエレンに精神的ダメージを与えているだけのような気もします。

 

 そしてあの謎の遠足はなんだったんでしょうか。急に音楽が流れて踊り出すシーン。あのシーンはどういう意味があるのかよくわかりません。なにあれ?

 

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緊張感のある日常

 エレンはグループホームに入居することになるんですが、住んでいるのが全員摂食障害持ち。毎日食堂に集まって食事をするんですが、全員食べたフリをするだけでほぼ食べません。

 

 拒食を治したい思いと、食べた後に太るのではないかという強迫観念に挟まれて、なんとなくみんな切羽詰まっています。ストレス(?)っていうんでしょうか、全員がなんとも言い難い緊張感を醸し出していて、いつ失踪したり自殺したりするかわからないピリピリした感じがあります。でもみんな食べていないのでダウナーな感じもあったりして。

 それを和やかな食事風景に溶け込ませているのがちょっと怖いなぁと思いました。明るく振舞おうとする人たちの裏に、いつ爆発するかわからないストレスを抱えているのが怖いです。

 

 拒食症の怖さってアル中が飲みたくないのに飲んじゃうっていう感じにかなり近いのかもしれません。禁止されている下剤を隠し持ったり、隠れて吐いたり運動したり。禁断症状みたいな感じなんでしょうか。

 拒食や過食がこんなに辛くて痛々しいものだなんて今まで知りませんでした。ただの甘え、なんて言えるものではないですね。

 

まとめ

 結局エレンの拒食症は改善することなく終わってしまいました。ラストシーンで家に帰って「お母さん、お腹減った」くらい言ってくれたら僕としては嬉しいんですが、そんな陳腐なことをするはずもなく、エレンはグループホームに帰っていきました。

 

 映画と言うよりはドキュメンタリーを見たような気分になりました。ストーリー的にも何かが解決したわけではないのでそう感じるのかもしれません。何も解決せず、拒食症の症状とか、ルークとの恋愛とか、家庭の問題とか、アーティストとしての生き方とか全部中途半端に放置したわりにあまりモヤモヤしない終わり方だったので、それはうまいなぁと思いました。

 

 ミーガンの流産シーンはものすごくショッキング!

 

 ではまた。